仮エンジンに載せ替え | カルマンギアのある生活

仮エンジンに載せ替え

昨年の8月に車検を受けて以降、すっかり放置状態のカルマンギア。(同じくこのブログも放置状態です…)
出掛けたくても出掛けられないステイホーム週間を利用して、重い腰を持ち上げ、以前から考えていた作業を進めることにしました。
 
久々に工場に移動したカルマンギア
 
数年前からオーバーヒート傾向にあったのですが、一昨年の秋に山中湖に行った際に高速道路でオーバーヒートして以降、ほとんど走らせていません。
昨年の車検の際には、キャブをいくら調整してもHCが全く規定値まで下がらなくて、どうやら1番が点火していない様子でした。
仕方なく右側のキャブのアイドルスクリューを閉め、アイドリング時の燃料を完全にストップさせて、左側の2気筒だけで回転させると、HC値はあっさりと規定値以下に下がり、車検には無事に合格したものの、根本的な問題は全く解決していません。
圧縮抜けかと思い、コンプレッションを測ってみましたが、むしろ1番が最も高いというような状態。
原因はよくわからないけど調子が悪いのは間違いないので、エンジンを下ろしてオーバーホールしてみようと思いましたが、休日に自分の車をいじるのはとっても億劫で、なかなか取り掛かることができません。
それに、どれだけ時間がかかるかわからないけど、その間ずっとカルマンギアが動かせないのは何だかさびしいと思うのです。
こんなにずっと放置していたクセに、動かないとなるとさびしいとは勝手なものですが…
 
そこで、エンジンをオーバーホールしている間の仮のエンジンを用意して、ゆっくりとオーバーホール作業を進めようと考え、ヤフオクで中古エンジンを落札したのが今年の1月のこと。
そして、我が家のステイホーム週間が始まった先月の29日に、ようやく作業に取り掛かることにしたのです。
 
用意した中古エンジン
 
用意した中古エンジンは、これまでと同じAS型。
これなら構造変更をしなくてもよいので、オーバーホールを急ぐ必要もありません。
 
というわけで、今回はエンジンの載せ替え作業です。
ただし、動作確認がされていない素性のハッキリしない中古エンジンなので、載せ替えてもまともに作動しない可能性もあります。
本来であれば、単体で動作確認をした上で載せ替えれば良いのでしょうが、そのような設備はないので、きっと大丈夫だろうという楽天的な発想のもと、とりあえず載せ替えてみることにしました。
 
 
まずはエンジンを下ろすための準備作業です。
エンジンと車両側でつながっているもの(燃料ホース、アクセルワイヤー、電気ケーブルなど)と、邪魔になるもの(マフラー、エキゾーストパイプ、クーラーコンプレッサー、キャブレター、ヒーターホース、エンジンチンなど)を外します。
 
エキパイのナットが錆びてなかなか緩まず、スタッドボルトが2本折れてしまいましたが、どうせオーバーホールするので気にしません。
ヒートエクスチェンジャーは、エンジンを下ろした後の方が外しやすいので、そのままにしておきます。
 

お昼頃から作業を始めたのですが、慣れない作業に思いのほか時間がかかって、ようやくエンジンを下ろし終えた時には、日が暮れかかってました。
 
というわけで、初日の作業はエンジンを下ろすだけで終了。
 

2日目(4月30日)は、下ろしたエンジン1号機(タケシ君と命名)と、載せ替える中古エンジン2号機(ハヤト君と命名)の補機類を付け替える予定でしたが、
 
 
1号機タケシ君をエンジンスタンドにセットし、2号機ハヤト君をリフトテーブルに載せ替えた後、
 
 
ハヤト君のフライホイールを外してオイルシールを交換したり、
 

ハヤト君の折れていたスタッドボルトを抜いて交換しようとしたのですが、錆びついてどうしても緩まなかったので、ベルトサンダーで削った上でドリルで穴を空けて、タップでネジ山の修正などをしているうちに、2日目も時間切れ。
何より、ハヤト君の外側にこびり付いた汚れを落とすのに時間をとられました。
 
3日目(5月1日)は、銀行に行ったり食料品の買い出しに行ったりして、ほとんど作業を進められず。
 
4日目(5月2日)には作業を完了させようと、ちょっと早めに作業スタートしました。
 
 
 
 
 
タケシ君の補機類を外して、次々とハヤト君に付け替え、
 
 
バルブクリアランスを調整し、
 

クラッチも取り付けて、
 

ほぼ車体に載せる手前まで出来上がりました。
 
ここでちょっと気になったので、
 
 

プラグを交換するついでに、それぞれのピストンを下死点まで下げて、プラグボールからファイバースコープでシリンダー内の様子を見てみました。
とりあえずどのシリンダーも、見える範囲ではピストンの割れなどはないし、シリンダーの内壁もホーニングの跡が残っていて、スカッフの形跡もなくキレイでした。
今さらですけど、少し安心しました。
それと、ピストンを下げたついでに、ピストンの焼付きを防止するために、浸透潤滑剤をスプレーしておきました。
直列のエンジンならば、オイルでも垂らしておけば良いのでしょうが、水平対向だと下に溜まってしまうので…
 
で、この後、エンジン2号機ハヤト君を車体に載せて、
 
 
キャブレターを取り付け、燃料ホース、アクセルワイヤーなどをつないで、あと少しで完了というところで4日目も時間切れ。
 
5日目(5月3日)は午後から別の予定があったので、午前中のうちにさっさと片付けることに。
 
 
デスビキャップ、プラグコードなどを取り付け、仮エンジンなので、今回はコンプレッサーは取り付けず、冷媒のホースはバッテリー裏にしまっておきます。
 

ほどなく作業完了。
 
オイルを入れて、クランクを手動で数回転させた後、燃料ポンプのヒューズを外したままでセルスタートで数回クランキング。
その後、燃料ポンプのヒューズを取り付け、燃料漏れがないことを確認した上で、セルスタート。
 


意外とあっさりエンジン始動。
どのくらい放置されていたエンジンかわかりませんが、特に問題なく、安定して動いています。
 
 
点火時期調整とキャブ調整を行い、
 

排ガスもチェックして、異常燃焼状態ではないことを確認。
 
その後、近所を少し試運転しましたが、きわめて快調です!
これで2号機ハヤト君が、仮エンジンとしてしばらく活躍してくれそうです。
 

補機類をはぎとられた1号機タケシ君は、そのうちオーバーホールしようと思ってますが、いつになることやら…
 

せっかくなので少し遠出したい気分ですが、新型コロナが落ち着くまでは我慢します。